あつまろです。

日本電産の決算発表をずっとウォッチし続けていますが、同社はHDD精密モーターから始まってモータという技術要素をもとに車載、家電、産業用モーターに業容拡大。さらにモーターと関連する部品メーカーも買収することで従来のモータ単体というパーツ販売からモジュール化することで単価上昇と付加価値を付与して販売してきました。ここ5年で企業としての次元をひとつ上にきた感じがします。
「IoTのスマートファクトリー」
今回、私がもっとも印象的だったのは、スマートファクトリー(工場)です。従来よりIoTによるスマートファクトリーを推進するという話題は知っていましたが、今回はさらに踏み込んだ内容がありました。
まずスマート工場を推進して自社の生産性をあげるという取り組み。海外工場では7,500名の人員削減をという情報は昨年末に発信されていましたが、今後はこれを全世界の日本電産の工場に導入していくことになり、これで人件費を減らして高い粗利益を出していくことが可能になります。
それを今後は自社のスマート工場に対して、取引先に声をかけてショールーム化することで外部販売も目指していくと名言されました。日本電産のスマート工場は内製品や内製システムを使われているそうなので、もしスマート工場の外販に成功すると自社の製品売上も上がることになります。
本来は売上を産まないはずの生産設備である工場が、ショールームとして営業の最前線となる。これで日本電産がスマート工場の導入にむけた最前線にたてば、他社へのノウハウや需要をまた自社に反映させることができる。これはもう無双状態ですね。
ちなみにアナリストとのQAではスマートファクトリー事業で20年には2ー3,000億円規模になるのではないかとのことでした。これだけでひとつの一部上場企業ひとつ分です。

「M&A」
今回は買収した欧州企業に対してPMI(買収後の統合作業)に対して永守社長が陣頭指揮をとることで早期に営業利益率10%に持っていく自信があると述べていました。日本電産では買収企業も営業利益率10%に持っていくことがPMIの終了とみているそうで、これまでの経験則から日本企業なら1年、アジア企業2年、欧州企業3年、米国企業5年かかるとのことです。この数字も興味深い。今回は欧州企業の買収が2年で達成という自信を持っていましたが、これは外国企業買収を繰り返してきたことによるノウハウと、事業好調により生産設備が足りてないという話題から他企業の生産ラインを一部移管するのかもしれません。さらに先のスマート工場で人件費を減らすことができるというのも大きく効いてきているでしょう。

「車載への期待と2030年」
「10年以上の長期レンジで経営する。待ちぶせ経営である。2030年には10兆円とホラを言ってると言われるが、ホラじゃない、オンロードだ。車載には入っていってる。ガソリン車部品に興味はない。すべてEV」

この言葉に強い将来への期待をみました。現在は売上1兆円企業ですが、あと13年で10兆円と10倍にすると公言しているわけです。ここの柱になるのは車載、とくにEVです。
永守社長の未来ではガソリン・ディーゼル車がEVに置き換わる。そのEVの基幹部品としてリチウム電池が注目されていますが、日本電産の強いモーターも基幹部品のひとつです。そこに自信があるのでしょう。
また、その他の周辺部品やモジュールへの進出も自信をもっているようです。具体的な事例として最近買収した欧州の大型プレスメーカーをあげていました。従来の自動車の型は溶接だったものが、最近では大型プレスで一気に型をつくる工程へのシフトしているそうで需要に生産がおいつかないくらいの状況だそうです。
予想PERで30倍近くと株価にはむしろ高値感すら漂いますが、超長期でみると大変有望な企業です。自動車業界では完成車ではないですがデンソーはとても強いですが、もしかしたら日本電産もEVの領域でデンソーのようなポジショニングにまで成長するかもしれません。今後も永守経営、楽しみです。

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