あつまろです。

村上ファンドで話題になった村上 世彰氏が記した「生涯投資家」を読みました。読み物としても、当時の経緯を知る上でも、また投資をする上でもおもしろみにつまった本でした。おもしろい。
「子どもの頃、預金痛等に印字された数字が増えていくのを見るのが好きだった」という一文から始まりますが、この人のお金への思い入れは並大抵でなく、かつお父さんも投資家だったということから、まさに根っからの投資家だなという印象です。こういう金銭感覚なんかも、先天的性があるかどうかでかなり違いがあるなと思います。一般の人はこのレベルに行くのはあまりないんだと思います。

全編を通して株式市場に公開をすることとはどういうことか?この問いへの考えと行動を述べ続けています。そのなかのひとつとして非上場化を強く訴えており、具体的な企業として村上氏が関わった案件を踏まえて説明されています。当時ニュースで見聞きした話が多く、そうだったのか、という感じがしっました。また、村上氏の推す非上場化については、私は日頃選択肢は考えていませんでしたが、なるほど、そういう考えがあるのかと感じ入りました。

アクティビスト(物言う株主)としての投資行動など、外資ハゲタカファンドなどと同じく大いに敵視されてきていましたが、近年は株主還元への意欲も高まり、安倍政権になってから伊藤レポートによるROE8%以上であるべしという考えや、そこから来るROE重視の流れ。コーポレート・ガバナンスコードやスチュワードシップコードなども制定されて、時代が村上氏の考えに近づいてきた(米国の影響を受けてきた)ことから受け入れられる兆しは多くあり、いま当時の村上氏の考えを聞いてみることに価値があるような気がします。

また投資家としては、多くの個人投資家がフロー重視(売上・費用・利益などPL)に偏りがちですが、ストック重視(資産・負債・純資産(株主資本)に代表されるBS)を強く意識した投資の考えがすごく参考になりました。「使わない資産を還元させる」というスタンスで時価総額の◯%を押さえにかかるというやり方は、個人投資家にはできない機関投資家ならではですが。

この本を読むと、村上氏への好感があがりますが、こうあるべきという正論の裏に本人の利益追求があること(本人もちょっぴり語っていますが)など、どうしても村上氏寄りの表現になってしまう点は勘案した方が良さそうです。


生涯投資家 (文春e-book)

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