あつまろです。

GE(イメルトCEO)の改革についてです。 前回はIoTについて話をしましたが、今回は捨てる改革です。
「捨てる改革」
IoTが攻めの改革であれば、守りの改革としてイメルト氏が取り組んでいるのが「金融事業」です。じつはこの金融事業は前経営者のジャック・ウェルチ氏が推し進めて実際に成果をあげていた事業です。しかし、リーマンショックでは金融事業が大いに痛手をこうむりました。その後の動きが早く次々と撤退していきました。日本でもGEの金融事業はありましたが、どんどん他社に売却していきました。わたしはGEのクレジットカードを持っていましたがGEの撤退により影響を受けました。
そして、2015年10月にもこんなニュースが飛び込んできました。GEが「消費者ローンやリースなど金融部門の一部を米銀行大手のウェルズ・ファーゴに売却すると発表した。譲渡する資産の規模は約320億ドル(約3.8兆円)でおよそ3000人の従業員も移籍する」。 M&Aで1兆円を超えるとかなりビックリしますが、3.8兆円という数字は相当です(ちなみにソフトバンクがスプリント買収したときに同社がプレスリリースした金額が(約216億米ドル(約1.8兆円)です)。これは逆にGEが3.8兆円分の事業を切り離しているということです。しかも既にこれまでも段階的に金融事業は売却してきているのでトータルでの切り離し規模はより高くなります。

「日本企業がGEから学ぶこと」
日本企業が学ぶべきことは「捨てる改革」じゃないかと思うのです。 日本企業はM&Aへの取り組みが多くなり、結果として買収に対する学習と経験を積んでレベルアップしているように思います。 しかし、その一方で売却が極端に少ない。つまり塩漬け事業が多いということです。塩漬け事業が多いということは成長する分野にヒトもお金を投資することの足を引っ張っているともいえます。 この「売却する力」というのは、経営破綻に陥ってからでは意味がありません。GEのように全社としての経営が揺らないでいないうちにやることが重要です。しかも考えてください、イメルト氏は名経営者といわれたジャック・ウェルチ氏が推進した金融事業を捨てようというのです。いかに事業環境が変わったとは言え、これは相当にハードルがあるんじゃないでしょうか。例えば松下幸之助氏が思いをこめて推進した事業を、次の後任が売却しようとするとどういう摩擦が起こるか想像してみたらどうでしょう。 もちろんGEも摩擦や軋轢はあったんでしょうが、彼ら自身の歴史の長さもありますが、そういう組織風土(売却も選択肢)ということもあると思います。

「余談。もうひとつの偉大企業、ウェルズ・ファーゴ」
タイトルからずれてしまいますが、GEと関係が強いのがウェルズ・ファーゴ。今回の金融事業を買収する側です。GEの偉大なところは多角化事業を進めるために買収したり売却して事業ポートフォリオを入れ替えるというもの。 一方のウェルズ・ファーゴは基本的に本業です。彼らは米国の金融事業で時価総額トップだそうです。 しかし、いまお読みになっている方でウェルズ・ファーゴをご存知ない方も多いんじゃないかと推察します。彼らは金融事業のなかでも個人を重視して堅実な経営を続けていて、そこから今回のような相手が売却したいというときに受け手としてM&Aでも事業拡大した企業です。10数年前まではそこまで大きな企業ではなく、むしろ第2グループくらいの印象がありました。この企業は、既存事業の内部成長と、本業と強い関係性のあるM&Aによる外部成長をうまく組み合わせてのし上がってきました。 GEのように多角化するだけが成功の道ではありません、ウェルズ・ファーゴのように本業を軸に拡大していくのもひとつの方法であり、日本企業はこのスタイルの方が近いような気がします。 結論としては、今回のビッグディールの当事者であるGEとウェルズ・ファーゴ、この両者の今後に注目です。成功しても失敗しても現代経営の進むべき事例のひとつになることだけは間違いないです。

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ 応援よろしくおねがいします