あつまろです。

株式市場が活況の中、私が注目している企業のなかでも株価が低迷している企業があります。それはLIXILです。なぜなんでしょうか?
「ジョウユウの破綻」
それは昨年買収を決めた独グローエの傘下にある子会社ジョウユウ(中国で水栓金具を手がけています)が破産手続き開始を申し立てると発表。今年四月に入り在庫の過大評価など財務報告が操作されているということで特別監査が入っていました。約410億円(株式価値で約250億円、債務保証で最大約160億円)の損失があるのではないかと報道されています。

「LIXIL藤森社長の改革」
LIXILは売上3兆円、営業利益8%を目指しています。なかでも海外売上高がほとんどないところから1兆円を目指すという野心的な目標を掲げています。そのためには海外M&Aを積極的に展開してきました。

09年 アメリカンスタンダード アジア・パシフィックは約176億円で買収。 目的は中国などアジアにおける物流ネットワーク。
11年 上海美特カーテンウォールは約32億円で買収。 目的は、中国本土でのビジネス展開
11年 伊ペルマスティリーザは約608億円で買収。 同社は世界27ヵ国で事業展開する世界最大級のカーテンウォール事業会社。 買収目的はアジアを超えた「グローバルなオペレーションの入手」。
13年 アメリカンスタンダード ブランズは約530億円で買収。 トイレで北米シェア20%を超えるを衛生陶器最大手で今回は米国拠点がターゲット
14年 独グローエは約3816億円で買収。 高級水栓金具メーカーとして知られており、マス市場から高級市場まで製品ラインナップの獲得。このグローエの子会社にジョウユウがあったわけです。

買収はリスクも高く、特に大きな企業を買収する場合は難易度が上がります。 これを藤森社長が在籍していたM&A巧者のGEで学んだマネジメントがどこまで通用するのか、ある種の実験台だと思っていました。

「M&Aの難易度を露呈」
今回のジョウユウのケースは失敗のひとつの事例です。M&Aにはいくつかありますが、買収先企業の火種を本社が見抜けることができるか。今回は財務報告が正確になされていない(虚偽)というコンプライアンスの問題です、特にジョウユウは買収先企業の独グローエの傘下にある子会社。つまり孫会社のような位置づけだったはずです。そこまで本当に見抜くことができるのか、正直難しいと思います。しかし、そのことによってリスクが潜在化することになりました。 約410億円の減損リスクがあるとお伝えしましたが、これがどれほどのインパクトがあるか?2014年度のLIXILの純利益は440億円。つまり純利益が吹き飛ぶくらいの影響があるわけです。なんとも痛い授業料になりそうです。

「今後のLIXILをどう見るか」
藤森社長は変わらず外部成長(M&A)による海外売上を目指すと宣言しており、私はこれから先もポジティブな見方でLIXILをみていくつもりです。ただし短期的(1年)の業績はもちろんのこと、中長期的(3〜5年)にも今回の件は影響が出ることは変わりないでしょう。冒頭に株価が低迷しているとお伝えしましたが、いまの株価が割安とも思えません。 好調相場で株価が低迷しているからという理由だけで飛びつくのはあまりに危険ですね。


過去参考記事:
2014年8月1日 LIXILのグローバル改革
2014年8月6日 LIXILの苦戦はチャンスではないか?

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