あつまろです。

キラ星のように輝く企業13社の1社であるテルモの最新動向を取り上げています。
「カテーテル市場におけるテルモの立ち位置」
世界のカテーテル市場は米大手4社で8割超を占めるという寡占市場です。大手4社は、ボストン・サイエンティフィック、Johnson&Johnson、メドトロニック、アボットラボラトリーズという顔ぶれです。これら4強に対してテルモは後発で挑戦しました。自社のコーディング技術とM&Aによるシナジー効果を生み出してニッチ領域からじわじわと世界の4強の一角に食い込むというのがテルモの戦略です。

「カテーテルの新領域に挑戦」
テルモはカテーテルで高血圧を治療する新たな医療機器分野に参入すると発表しました。じつは高血圧治療にむけては自社技術ではなく、専用カテーテルを開発する中国ベンチャー(アンジオケア)に出資し、アンジオケアの製品をテルモが世界で独占販売できる契約を結んだそうです。
じつは高血圧治療カテーテルは2020年世界市場は30億ドル(約3000億円)になるとされ、「次のブロックバスター(大型の医療機器)になる」とみられている世界医療機器大手が次の成長分野とみて相次ぎ参入しているそうです。新領域へのベンチャーが欧米企業でなく中国企業というのが時代の遷移を感じさせますが、テルモは今後、アンジオケアに開発費として数億円を投入し、この領域にも挑戦していく姿勢です。

「テルモの海外戦略」
テルモの海外戦略は日本企業のお手本になる例が多数あるように思います。日経新聞の経済教室欄「経営塾」でテルモについてこう述べられています。
テルモは先進国と新興国の双方で、本国の技術を現地向けの製品開発に生かす「活用型」と海外の先端科学知識を自社に取り込む「探索型」の拠点をともに強化しようとする。

うまく表現されています。つまり、日本の技術を海外に持っていくだけでなく、海外の技術を自社に取り込むという両方をテルモは成し遂げていると言われています。また、テルモの海外戦略にさらに磨きがかかっているのは、先進国だけでなく新興国でも「活用型」と「探索型」を実施している点です。新興国の技術を取り込む例は、日本企業には極端に少ないように思いますが、先の中国ベンチャーに出資に代表されるとおり、テルモはそこまで到達しています。 

「テルモの国際分業体制」
新宅社長の国際分業体制への言葉を抜粋します。
国内ではコア(中核)技術にかかわる部材の生産、新製品の試作や立ち上げに重点を置く。 一方で量産に移行できた製品は順次、アジア各国の工場に生産をまかせる。各国の現地スタッフはマザー工場へ研修にやってくる。
一方、これとは異なるタイプの海外生産にも着目している。医療機器の企業が集まる産業集積地への進出だ。(医療産業集積地では)優れた技術者の採用や生産活動において必要とされるサービスを容易に受けれる。注目を集めているのが中米のコスタリカである。当社が買収した米国の医療機器メーカー、マイクロベンションはコスタリカに工場を新設した。グローバル生産の新しい視点を得たことも、同社を買収したことによる収穫の一つである。
海外市場を積極的に開拓する当社にとっては、事業ごとに本社機能を海外に置く形態が事業運営に適している。当社はM&A(合併・買収)で傘下に収めた外国企業を中心に、いくつかの事業で“グローバル本社”を海外に置き始めている。


<テルモ経営の長期視点>
テルモの足下の業績は、主力の薬剤溶出型冠動脈ステント「ノボリ」が国内で他社の新製品に押されて冴えない状況です。2012年中旬までは株価が低迷していましたが、年末から2013年にかけて日本の株式市場活況化と共にかなり株価は伸びて来ました。

短期業績や短期株価変動は横においても、M&Aを含めた海外戦略が上手であり、自社技術がしっかりしている点は大変好感しています。そして長期視点を持った経営にも共感します。
terumo
(2010年テルモプレスリリース)

とは言え、テルモは売上で医療機器の企業では世界12位という中堅企業。ようやく「世界トップ10」企業に入る挑戦権を得たという段階です。超長期でみれば躓くこともあれば、株式市場が暴落相場となるシーンもあるでしょう。そういう場面でテルモのように自分自身が信頼できる企業の株を拾って、20年、30年を超えても保有して世界への挑戦を見守りたいと思います。

過去記事:テルモのM&Aってどうなの??(2011年4月)
過去記事:世界4強に挑むテルモ(2011年12月)
過去記事:なぜテルモは社員20名の米会社を買収したの?(2012年1月)
過去記事:テルモの株が売られる3つの理由(2012年5月)
過去記事:血管の中が見える!テルモの新製品(2012年5月)

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