あつまろです。

ポートフォリオの主軸に、自分にとっての世界オールスター企業(私はキラ星のように輝く企業と表現していますが)13社を組み入れて超長期保有で株式投資をしていますが、その中の1社であるテルモの最新動向を取り上げます。
「2年前の大型買収」
2011年3月にテルモ、輸血関連事業の世界大手企業であるカリディアンBCTを買収すると発表しました。買収額は26億2500万ドル(当時の為替換算で約2,200億円)。 当時のテルモの売上が約3,100億円であるため売上規模に近い大型買収。さらには企業買収時の金額算定に使用するEBTDA倍率
という指標で約15倍(10倍を超えると割安感なし、と見られがち)で高値掴みという批判もありました。

輸血関連機器の世界市場は約2,000億円とされ、カリディアンBCTのシェアは20〜25%とみられていました。市場は今後10年程度で3,000億円に拡大し、テルモ陣営は30%のシェア取得を目指しているという状況です。
過去参考記事:カリディアンBCTを買収

「カリディアンBCT買収のその後」
さて、買収から2年間経過してどのような動きになったのか。 まず、業績面では輸血関連事業(テルモは血液システムという分類)は緩やかに売上成長が進んでいますが急激な伸びではないですし、まだM&Aによるシナジーが数値に出てきているようには見えません。世界景気も多少は影響していると思います。 しかし、ビジネス面では徐々に手を打っているのが見えてきました。テルモはカリディアンBCTを自社の輸血関連機器事業の販売やシステムを統合して、テルモBCT(以下、BCTとする)という子会社化しました。テルモとBCTの製品間で採血針の共通化やテルモの海外工場を活用し、販売地域に近い場所で生産する体制づくりを進めています。

「テルモBCTの拡大戦略」
1.米国生産量拡大
BCT米国工場に600万ドル(約6億円)を投じ生産設備を増強。採血用のチューブをセットにした使い捨てのユニットなどを増産を決めました。北米事業の生産強化です。

2.ベトナム工場新設
テルモがベトナムに建設する工場でも1億ドル(約100億円)を投じて血液バッグなどの工場を新設することを決定。2015年に生産を始める予定。将来は使い捨てユニットなどの生産も検討するとのこと。これによりベトナムを東南アジアへの輸出拠点とする考えです。東南アジア事業の強化です。

3.インド生産拡大
インドの合弁生産会社を完全子会社化。血液バッグの生産能力を現在の年800万セットから同1200万セットに拡大し、生産能力を引き上げてインドで拡販するとともに中東やアフリカへの輸出を広げる。南アジア、中東、アフリカの強化です。

4.ポーランド販売会社買収
先の3つは生産量拡大ですが、こちらは販路に向けた取り組みです。ポーランドの医療機器販売会社メドサービスを買収。メドサービスはこれまでも代理店としてポーランドでシェア1位となるなど事業を拡大させた実績あり。買収を通して直販化することで新製品の投入を加速し、東欧事業の販路拡大への取り組みとなります。ちなみにポーランドの血液関連機器市場は現在20億円超で、5年後には80億円程度に拡大すると見込まれている(額は大きくないですが4倍です!)。

「地味だが堅実、BCT事業」
上記で見てきたとおり北米、アジアを中心として販売先に近い地域での生産量拡大。さらには欧州においては販路の開拓と、派手さはないですが堅実に経営を進めている印象を受けます。工場新設などはすぐに業績に出てくるわけではないですが、ジワジワと効いてくるはずです。テルモとBCTで採血針の共通化などはとても地味ですが、こういう取り組みもコスト低減効果が期待できます。こういう取り組みを見るにつけても長期保有に持って恋の銘柄に思えます。それにしても円安になった現在から鑑みると、2年前の円高時に買収できたのは幸運ですね。 ただ、投資家としては既に株価は上昇済みで予想PERも26倍と割安感なし。追加買いできず見守るのみです。

過去記事:テルモのM&Aってどうなの??(2011年4月)
過去記事:世界4強に挑むテルモ(2011年12月)
過去記事:なぜテルモは社員20名の米会社を買収したの?(2012年1月)
過去記事:テルモの株が売られる3つの理由(2012年5月)
過去記事:血管の中が見える!テルモの新製品(2012年5月)

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