あつまろです。

アップルがiPhone5に搭載した地図アプリで不具合が続出し、話題になりました。 じつはこの時、Yahoo! JAPAN社内では千載一遇の「大きなチャンスだ!」と関係者が大盛り上がりを見せていたそうです。

「爆速化」
時計の針を戻しましょう。2012年3月にヤフーの新社長に44歳の宮坂学氏が就任というニュースが流れました。この宮坂新社長は、15期連続増収増益を達成してきた成功に甘んずることなく「利益を2倍に!」という数値目標を立てて、社内外に「爆速」というキーワードを掲げました。 爆速という言葉どおり、ヤフーはものすごいスピードで変革が始まりました。今回のアップルの地図アプリ問題が発生したときにヤフーがとった行動は、爆速化の象徴的なもののように感じました。
爆速


「他のプロジェクトをすべてストップ!」
地図アプリといえばグーグル・マップ。これまでは標準インストールされており、質も高いのでユーザ満足度も高い。本来であればこの牙城を崩すことは容易ではないのですが、アップルはiPhone5発表と同時に自社製アプリを標準として発表されました。そしてその品質は前述のとおり、欠陥だらけという状況でした。アップルの地図アプリが正式版として配布されたその日、「大きなチャンスだ!」と地図開発部隊が進行していた他のプロジェクトをストップさせて、ヤフーのスマフォ向け地図アプリ「Yahoo!ロコ」に対して、画面スクロールの問題への改善と、対応できていなかったiPadへの適用化の2つに集中することを決定。即日に宮坂社長からの大号令が発せられ、2つの対応を1週間で完了させて、アップルに地図アプリの申請を経て、新バージョンの配布されたそうです。無料アプリダウンロード数ランキングでトップ10位内に入りヒットを飛ばしたそうです。

「成功の要因」
今回の成功は経営のスピードと判断によるものは疑いの余地はありません。しかし、それだけではありません。ヤフーは2005年地図製作会社のアルプス社を買収し、地図の品質そのものが高かったということが背景にあります。「爪を磨くこと」、「機を逃さないこと」。この両方の条件がマッチしたからこその成功です。

「ヤフーの取り組み」
今回の件は、ひとつの現場の事例です。これひとつでヤフーの業績が動くわけではないのでしょうが、こういう積み重ねを遂げることのできる企業こそが、勝者になれるのではないかと思います。宮坂社長の爆速経営に興味をもってこれまでも何度かブログに取り上げてきました。
15期増収増益企業の変心」という記事で、「承認プロセスを4分の1に」まで減らした施策や、「縦割り組織に風穴を」空けるため約1200人のエンジニアが大移動を行ったことをご紹介しました。
新生Yahoo!の有言実行」では、「選択と集中」として150程度あると言われるサービスのうち、断トツのシェアを持つトップ20に絞り込むという経営をご紹介しました。
ヤフーの「今日来る」」ではアスクルと提携して「新サービスLOHACO」を立ち上げたことをご紹介しました。

今後もまだまだ仕掛けてくることでしょう。なんとも楽しみです。

なお、今回の地図アプリのエピソードは「週刊 ダイヤモンド2012年11/17号「地図 10兆円市場の全貌」」を参考にして取り上げています。

週刊 ダイヤモンド 2012年 11/17号 [雑誌]
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