あつまろです。

モノづくり日本、と言いますが、日本の強みは製造業だけではありません。むしろ私は日本人ならではの繊細さ、細やかな配慮、創意工夫を活かしたサービス業も日本の強みだと思っています。その代表例が日本式コンビニのビジネスモデル。 海外に行ったことがある方は「日本のコンビニがあればな」と思った経験もあるのでないでしょうか。海外現地のコンビニを含む小売店は、日本のコンビニまでの完成度に至っていないと私は感じます。

独自進化を遂げたガラパゴス日本のコンビニビジネスモデル。 いま、このコンビニは日本国内に留まらず、アジアを中心に海外に積極的に進出しています。
「凄まじいペースの海外進出」
セブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップという日本の大手コンビニ4社の海外店舗数は2012年2月で3万5000店。ここ5年で70%超の増加してきています。
さらに2012年度はコンビニ4社は海外店舗を最大約6300店増加させる見通しです。ちなみにセブンイレブンの国内店舗は約1万3800店です。6300店舗という数字は、日本にあるセブンイレブン店舗の約半数に相当する店舗数であり、これだけの数が今年度1年で世界でオープンする見通しです。すごいものです。

「事例:カザフスタンにも進出!?」
アジアへの進出が目覚しいのですが、東アジア・東南アジアのような馴染みのある国だけでなく、中央アジアのカザフスタンも進出国に含まれます。カザフスタンなど中央アジアの国々は旧ソ連を構成する国で、現在でも欧米資本主義とは距離があります。私たち日本人もカザフスタンと聞いて地図を頭に浮かべることができる人がどれだけいるでしょう? カザフスタンは石油やウランなどの資源輸出を背景に高成長が続く国であり、ミニストップが他コンビニ大手とは異なるニッチ地域戦略を立てて年内に最大都市アルマトイでまず年10店程度を開く計画を立てています。

「強すぎる日本式コンビニへの規制」
ものづくりでは競争力の強い海外製品には高関税をかけて自国産業を守ろうとします。製品と同じように小売業にも各国は自国産業を守るため規制を設けています。アジアを始めとする新興国では、店舗の形式、規模、取扱商品、出資上限が設けられる例があります。現地企業との資本提携やフランチャイズ契約を強いられる場合もあります。

ここで補足を入れておきますと、コンビニが海外展開を行う場合3つのパターンに分けられます。
「1.出資なしのライセンス供与のみ」
「2.現地企業との資本提携、合弁会社設立」
「3.単独でそのエリアに出店(独資)」
1が最も関与が薄くローリスク・ローリターン、3がハイリスクハイリターンになります。

「事例:インドネシアの規制」
インドネシアには、コンビニに相当する「ミニマーケット」と呼ぶ業態で外国企業の出資による参入を認めていません。このためローソンは地元企業にライセンス供与で展開しています。また、飲食業として店をオープンさせ、カフェのような飲食サービスと併設するという形で日用品を売るという形式で出店もしています。このような日系コンビニは24時間営業で、飲食可能、飲み物などが現地企業よりも安く際立つ存在になっているそうです。
ローソンはインドネシアへの進出に積極的で、11年には約60店を展開。2012年度は100店体制を計画しています。さらに今後10年以内に1万店オープン、という野心的な目標を立てています。

しかし、強い日系コンビニ企業に対してインドネシアは規制を強めています。飲食業認可として運営するローソンなどに対して電池や整髪料などの日用品の品揃えを大幅に制限する新規制を導入。それだけではありません。ライセンス供与を受けた地元企業が直営できる上限数を1社約100店舗とするような規制も検討されているそうです。ローソンを始めとする日本コンビニ各社には逆風です。

「事例:世界の注目スポット、ミャンマー」
アウン・サン・スー・チー氏の開放、軍政から民主化への移行などで急速に世界から注目されはじめた国、ミャンマー。 コンビニはこの国にも進出する予定です。ローソンが年内にも1号店を開き、3年で100店に広げようという考えを持っているそうです。ミニストップも年内出店を目指しています。しかし、ここにも規制は存在します。小規模商店はミャンマーの小売市場の90%を占めるため、国内小売店を守るため外資の出資は制限されています。ローソンも出資なしのライセンス供与するフランチャイズチェーン(FC)方式で参入することになります。

「日本のコンビニが世界を席巻する」
ここまで見てきたように各国の規制は、日本式コンビニの競争力の高さの鏡でもあります。成功するためのハードルは規制だけではありません。現地の商習慣や文化は日本とは異なります。日本の良いところを移行(コピー)しつつも、現地に応じたカスタマイズ(現地化)は必須です。超長期的には、持続的成長を遂げるため現地人材も現地の経営に携わるようにして各地で自律的に進化していくこと。そして各地の成功体験を世界本社で共有してシェアできるような仕組みを作っていくことが重要だと思います。それが出来れば日本のコンビニが世界中を席巻できるようになると思います。いち投資家としてはそのような経営ポテンシャルを感じるのは、セブンイレブンの7&iよりも新浪CEO率いるローソンです。いずれにせよ、一人の消費者としても投資家としても日本コンビニ各社の海外展開は大変楽しみです。

<参考:過去コンビニ記事>
投資対象としてのコンビニ
コンビニ業界の現状
コンビニ各社の成長戦略

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