あつまろです。

楽天の電子書籍端末の「kobo Touch(コボタッチ)」がネット上では悪評が飛び交っているようです。「読書革命を起こす」とマスコミも巻き込んで派手にスタートを演出したkoboですが、滑り出しは失敗した感があります。

にしても楽天は失敗ばかりしている企業だな、と思います。
「楽天の失敗」
海外事業拡大にむけて、注目度が高かった中国でのEC(電子取引)事業進出については、中国検索サイト大手の百度と提携して攻めに出ましたが、今年5月には提携解消と事業撤退を発表しています。ひとむかし前にはTBS株の大量取得など買収にむけて話題になりましたが、結局は株を手放しています。
他にも子会社化した楽天証券はシステム障害が多発し行政処分を受けたり、楽天ブックスのサービスレベルの低さが消費者の話題にもなりました。こういう経緯をふりかえってみると、koboで躓く姿は「あぁ、やっぱり」と思えるのです。

「楽天への不満」
失敗まではいかないまでも、消費者から「ここが不満」という話は枚挙がありません。特に楽天からスパムのようにダイレクトメールが来ることに不満を感じている消費者は数多くいるでしょう。中核事業の楽天市場のサイトについても、「商品ページは大量スクロールしないといけなくて面倒くさい」とか、「ごちゃごちゃしていて見にくい」とか不満の声は私の周囲でもよく聞きます。特によく比較されるAmazonのスッキリしたサイトデザインと比べると「ごった煮」な感覚があります。時にゴチャゴチャ感が好きな人もいますが。。。

「英語社内公用語化も賛否両論」
楽天は消費者との接点だけでなく、社内の方針でも話題になります。現在よく話題に取り上げられるのが英語の社内公用語化。仕事ができる人より英語ができる人が優遇されると社内でも不満があるとか、これが理由で会社を去った人がいるとかいう噂は耳にします。英語の公用語化が混乱を生み出しているのは事実でしょう。

「原因は三木谷社長の行動」
これらの問題や摩擦を生み出している犯人は、やっぱり三木谷社長にあるでしょう。 きっと摩擦を恐れない人で、英語などは確信犯的にやっているところもあります。事業のスピードを重視しすぎた結果、今回のkobo、楽天証券や楽天ブックスのような問題が起こんだと思います。そしてその行動力こそがマイナス面を表面化させると同時に、プラス面にも働いています。

「拡大する楽天のビジネス」
楽天市場が中核事業でしたが、どんどん事業領域を拡大しています。

例えば、金融については楽天銀行・楽天証券・楽天カードとネットで金融事業を一揃いさせています。楽天カードなんかはクレジットカードの中でも人気上位のカードに位置しています。楽天市場との連動でポイントプログラムを充実させ金融事業とEC事業を組み合わせた囲い込み戦略もどんどん進めています。また、個人向けだけではありません。中小企業を対象にした海外送金事業も始めています。楽天銀行ではネットで手続きが完結する仕組みを導入し、他銀行の店頭手続き手数料に比べて半額相当に手数料を抑えているとそうです。この辺りも楽天市場での出店企業など企業と個人両方をターゲットにすることもできるということです。

金融以外にも国内旅行で、楽天トラベルがJTBに次ぐ2番手に躍り出ています。
楽天トラベル
(2011年株主通信より)

楽天イーグルスの球団運営も実施しており、私たちの暮らしに「楽天」が身近になってきています。

「楽天の業績も好調」
楽天市場も順調です。2011年には楽天市場の取扱高が1兆円を超えました。三越伊勢丹ホールディングスの百貨店事業と同じくらいの額になります。楽天流通総額
(2011年株主通信より)

東日本大震災を通して水や米などネットで生活必需品を買う人が急増したそうです。また、スマートフォンなどのモバイル端末経由の取扱高も月を追うごとに増え続けているそうで、昨年末には全体の2割超を占めるまでに成長しているそうです。災害による購買チャネルの意識の変化とスマートフォンやタブレット端末など技術革新が楽天市場のビジネスの追い風になっています。

楽天業績
(2012年第2四半期決算説明会資料より)
業績にも表れており、高い成長率で増収増益を続けています。

「まだまだ続く三木谷・楽天の挑戦」
kobo事業の成否如何に関わらず、楽天はまだまだ成長を続けそうです。失敗をするということは、それだけチャレンジをしているということです。正直、いち消費者としては目新しさのない二番煎じが多いなという印象もありますし、サイトデザインもサービスもイマイチだなという印象を持っていますが、それでも次々に変化していきそうな期待は持てます。

いま三木谷社長は新しい経済団体「新経済連盟(新経連)」を旗揚げしています。会員数約780社と共に薬事法の規制緩和やネット選挙の解禁、教育や医療分野でのネット活用の強化などを求めていくと言っています。これらは楽天のビジネスの可能性を広げる活動でもあります。政治にむけても働きかけていく、という行動力はすごいもんだと感心します。薬のネット販売は三木谷社長も強い思い入れがあるようです。国に対して一般用医薬品(大衆薬)のネット販売権をめぐって訴訟を起こしているケンコーコムを傘下に入れています。

国内EC事業や金融事業などは内需中心で海外進出が難しそうな分野です。そこを本気で狙うのなら英語公用語化の判断もわかります。賛否はどうあれ2年弱で社員のTOEICスコアは174点アップして、平均700に到達という成果を出しているのもスゴイもんだと思います。
楽天TOEIC
(2012年第2四半期決算説明会資料より)

あちこちで日本悲観論が囁かれるいまの時代、これくらいのバイタリティがある経営者と企業があってもいいんじゃないかと思います。これからも失敗をしまくってもらいたいものです。

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ 応援よろしくおねがいします