あつまろです。

カテーテルなど心臓血管領域分野の医療機器に強みを持つテルモの株価が低迷しています。とくに2012年5月になって売りが加速している状況にあります。
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なぜテルモの株が売り込まれているのか?ということを考えます。本題に入る前にカテーテルの基礎知識をご紹介させてください。

「カテーテルとは」
カテーテルとは、医療用に用いられる柔らかい管のことである。血管などに挿入し、体液の排出、薬液や造影剤などの注入点滴に用いる。太さや材質は様々である。一般に、カテーテル操作の際にはガイドワイヤーが必ず先行し、ガイドワイヤーに導かれてカテーテルが進行する。
(Wikipediaより一部抜粋)

「テルモの株が売られる3つの理由」
売られる理由はいくつもあるのですが、大きな要因を探すと以下3つの要因があるのではないかと思います。

1.業績の曲がり角
テルモが発表した2013年度の業績予想がアナリスト予想を下回ったことが、市場関係者の失望につながったようです。 テルモの業績予想では、売上高は前期より6%プラスにもかかわらず、営業利益は5%マイナスと発表しています。薬価改定や減価償却費が影響がしているそうですが、為替はほぼ横ばいの前提なのに増収で減益になるのは私も残念です。

2.欧州債務不安やユーロ安
テルモは欧州への売上比率が高いため、欧州不安による経済先行きへの懸念と円高ユーロ安が業績下押し要因として、売られている可能性があります。しかし、これはグローバル企業の証拠でもあるので仕方ないなと思います。

3.厚生労働省の調査
最大の要因はこれでしょう。 日経新聞記事から抜粋します。
カテーテル(医療用細管)やペースメーカーなど医療材料について「厚生労働省が内外価格差の実態調査に乗り出す」と報じて以降、事業環境の不透明感からカテーテル大手のテルモに売りが続いている。
売上高営業利益率が11年3月期までは20%前後に達していたテルモの高収益体質が、割高に設定されていた国内価格の恩恵を受けていたとすれば、将来的には採算悪化に直結する公算が大きい。

前期の売上高における伸びは、国内カテーテル事業が成長を牽引しました(前年比で44%増!)。売上はテルモ全体において約1割を占めます。 おそらく営業利益ではもっと高い比率を占めると思われます。厚生労働省調査によってここの業績へのインパクトが不透明なことが、市場関係者がネガティブになっていそうです。
3国内カテーテル事業
(テルモ決算短信より)

「テルモの今後をどう見るか」
売られる理由をみると、どれも共感できる話です。とくに国内外の価格差が大きくて厚生労働省の調査によって、テルモのカテーテル価格下げがあれば業績へのインパクトはあるでしょう。 しかし、需要が減るというわけでもありませんし、製品に問題があるわけでもありません。テルモはこの分野の製品力向上に取り組んでいます。アジア各国の成長の恩恵も受けるでしょう。すべてがネガティブ一色になる必要もないと思います。

テルモの株が売られる一方で、テルモに期待する人の立場で考えると厚生労働省の調査の行方を待つというスタンスに傾き、買いの一手を打ちにくいでしょう。これまでテルモのPERは20倍台でしたが15倍にまで下がってきています。成長期待が剥がれてフツーの企業に近づいてきています。どう判断するかは各々で決めることです。

過去記事:テルモのM&Aってどうなの??(2011年4月)
過去記事:世界4強に挑むテルモ(2011年12月)
過去記事:なぜテルモは社員20名の米会社を買収したの?(2012年1月)