あつまろです。

オリンパスの不正が暴かれ、まさに世界の注目の的になっています。今回の不正暴露はステークホルダーにどのような影響を与えているのでしょうか。社会、顧客、供給業者、従業員、株主という5つの関係者の視点で見ていきます。

「ステークホルダーへの影響」

「1.社会」
今回の不正が暴かれることにより直接的な影響はあまりなさそうです。好奇心むき出しで報道を楽しむ人もいれば、憤りを感じる人もいるでしょうが、他人事の域を出ません。

「2.顧客」
製品自体に問題があったわけではないのであまり影響がありません。オリンパスのカメラが好きな人は気にせず使い続けそうです。ただ、ブランドへの信頼感は低下して、あらたにオリンパス製品を買うことに二の足を踏む可能性はあります。

「3.供給業者」
オリンパスを得意先とするような供給業者からすると大問題です。今後の受注に影響することになります。オリンパスに依存するような中小企業だったりすると倒産の可能性すらあります。そこで働く従業員は路頭に迷うこともありえます。

「4.従業員」
汗水流して仕事に精を出してきた従業員こそ、会社に裏切られた気持ちになるでしょう。業績が低迷して収入が減り、オリンパスで働く誇りを失い、社外からは冷ややかな目で見られるという状況。今後リストラなどで職を失うことにも十分考えられます。従業員が養う家族にも当然影響が出ます。本体だけで3千人、連結だと3万人いる巨大企業なので相当な人に影響が出ます。

「5.株主」
株価は当然の如く大暴落。多くの株主が損失を被っていることでしょう。

「あなたが経営者なら?」

仮定の話ですが、あなたが経営者になり過去に行われた不正を発見したとします。昔の損失は粉飾決算によって魔法のように処理されて現在隠れ損失はありません。あなたが黙っておけば誰も何もわかりませんし、誰にも直接的な被害は起こりません。もう過ぎ去ったことです。もし、これを明るみにすれば会社は上場廃止となり、信用は堕ち、従業員やその家族を路頭に迷わせることになるかもしれません。株主の信用に対して裏切りと損失で応えることになります。

あなたならどうしますか?

「ウッドフォード氏が悪魔に見えてくる」

もしかしたら、この問題を全部抱えてやろうという心意気が生まれてくるかもしれません。もちろん社会的には許されないことであることは理解しています。片棒を担ぐことになり良心の呵責にも苛まされます。いっそのこと自分は関係ないし、世間に暴露した方がよっぽど気が楽です。それでもそのとき従業員はどうなる?その家族は?自分にもかわいい孫がいて学校に通っている。従業員もここで働いた収入で家族を養っており、自分の孫のような年頃の子供もたくさんいるだろう。あの子たちの将来はどうなる?ここは皆を守るため自分が黙っておかなくちゃいけない・・・

そのような見方をしてみると、これまで正義の味方だったウッドフォード氏が「悪」というようにも見えてきます。会社の将来のためにも優秀なウッドフォード氏を抜擢しました。しかし、彼はやってくるなり成長について語らず、どこかで仕入れてきた不正会計に目をつけてほじくりまわし、ついには公表すると言ってきた。従業員や株主のことなど現実を考えず、自分の正義感だけを振り回しやがってなんて無責任なやつだ。自分だって良心の呵責を感じつつ守ってきたのに。一夜にしてオリンパスを崩壊させる悪魔のようなやつだ・・・

そんなことを考える可能性ありませんか?

「他人事でなく自分事で」

菊川氏が正義とは言いません。ただ、他人事のように何も考えずに批判するよりも、自分だったら同じ過ちをしなかったのか。ある視点でみると正義が悪に、悪が正義に見えてくることがあります。私自身、菊川氏は悪代官でウッドフォードは水戸黄門、というような印象を持っていました。しかし、ふと自分がステークホルダーだったらどう考えただろう?自分が経営者の立場だったらどうしていただろう?と思って考えてみるといろいろ発見がありました。私たちはすぐ他人事でモノゴトを見がちですが、自分事でみると、また違った景色と発見があります。

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視点を変えるという発想は面白いですね。三国志の諸葛亮孔明は優れた人物だと日本では思われていますが、弱い国なのに戦争を長引かせて戦死者を多く生むことになった人物という見方もあるそうです。ちなみに時間軸を変えてみても面白いです。その時代の価値観であったり、正義の定義も少し現代とは異なることがあります。