あつまろです。

今回ファナック(6954)をとりあげます。

ファナックは、BtoBのビジネスを展開していることもあり、株式投資をする人など、知っている人はよく知られているものの、世間一般の知名度は自動車メーカーや電機メーカーと比較して高くない企業だと思います。
また、メディアへの露出も少ない企業としても有名で、会社HPも突然閉鎖されてしまっているちょっと偏屈な企業です。

そんな偏屈な企業ファナックは、グローバルカンパニーで絶好調をひた走っています。2011年3月期の連結決算は、純利益が前期比の約3倍で約1200億円。リーマン・ショック前の08年過去最高益(1270億円)に迫る業績を出しています。また、株主持分比率87.9%、有利子負債0。現預金約5800億円と、財務の安定性も群を抜いています。眠ってるお金が多すぎるという批判もできますが・・・
外国人の株式保有比率が50%を超えており、外国人投資家からの信頼も厚く、まさにグローバルカンパニーの名にふさわしい評価です。

「最強!NC装置」

ファナックは、工作機械用NC(数値制御)装置世界首位です。NC装置とは工作機械の動きを制御する“頭脳部分”で、パソコンでいえばOS(基本ソフト)のようなものです。

日本は工作機械に強いと言われていますが、日本で生産される工作機械の大半はファナック製NCが搭載されており、デファクトスタンダードとなっています。受注先業界は自動車や建設機械から、ここ数年ではIT向けへと、対象領域を拡げてきています。

世界的視野でみると、ファナックと欧州の雄シーメンスという「2強体制」。同社をひっぱってきた80歳を超える稲葉清右衛門名誉会長は、「商売をする場所が変わっても、ライバルはいつも同じ」とシーメンスを意識しているようです。世界では5割のシェア。欧米ではシーメンスの浸透力が強いのですが、アジアでは5〜8割とシーメンスの先を行っています。

なかでも注目エリアは中国。工作機械のうち、NC装置を積んだ中国の高性能機の比率は約30%まで高まってきています。ですが、全体でみると中国の工作機械のレベルは、日本の80年代と同水準。NC装置は低位機種から現在中位機種へのシフトしてきています。しかし、賃金上昇などにより工作機械の役割が高まり、NC比率向上による販売量増への期待、製品の高度化による製品単価上昇の期待により、質も量の両面で増加が見込めるという状況です。

ちなみにNC装置など製品開発・生産は日本に集中しています。開発担当者は開発終了後も製造まで責任を持ち、開発、製造、販売までの一体感が同社の強みのひとつになっているようです。

「ロボット事業も・・・」

NC装置中心のFA事業が同社売上の5割強を占めますがそれだけではありません。産業用ロボット事業もあるのです。

産業用ロボットは現在月産2500台ですが、年内までに倍の5000台まで生産供給体制を整える計画です。現在は、特に自動車メーカーから引き合いが強く、納期で謝っているという状況とのこと。顧客メーカーは日欧米が多いそうですが、やっぱりここでも中国です。現在の自動車向け需要だけでなく、従業員の給料上昇により電子機器など組み立てロボットなども先々は本格的に需要が高まる期待があるそうです。

生産体制構築のために工場新設などの投資資金が必要になりますが、ここで活きてくるのが冒頭にご紹介した磐石な財務状況。攻めの設備投資もどんどん打てるという状況です。

また、ニュースメディアにもこぞってとりあげられている存在が「ロボットドリル」。じつはここ数年、話題になっている「iPhone(アイフォーン)」を中心としたスマートフォン。これらの製造を担うのが、世界での存在感を増し続ける台湾EMS(電子機器の製造受託サービス)。EMSが工場でスマートフォンを加工するために必要なもの、それは高精度を誇る日本製の工作機械です。その代表例がファナックのロボドリルなのです。非常に注目度の高い製品で、ファナックも大増産にむけて活動しています。

「黄金シナリオにくもりはないのか?」

「3年後に連結売上高1兆円」。それが同社の目標です。2011年3月期の約2倍という高い目標。前述した中国などの新興国への需要急増に対して生産能力で応えることにより、目標を達成する考えです。

しかし、同社のシナリオは一片のくもりもないのでしょうか。同社のコア製品である工作機械用NC装置NCは、世界でみるとシーメンスとの2強体制。しかし、じつは中国で100社を超す現地メーカーが乱立する「大競争」状態だそうです。当然技術の差は歴然ですが、低価格で追い上げる勢いは熾烈なはずです。
また、中国政府にとって産業機械の頭脳であるNC装置メーカーの育成は5カ年計画で載せる「国策」事業。中国現地メーカーのキャッチアップと共に、中国政府という経済とは違う政治力が今後のファナックのビジネスに対する変動要素になるものではないかと思います。

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