あつまろです。

パナソニックが大胆な事業方針を打ち出しました。私はこの発表を見て、ポジティブな印象を持ちました。以下の3つの角度で今回の発表を見ていきましょう。「1.KISS」「2.グローバル化」「3.強み再発見」

「1.KISS」

今回のパナソニックの発表を見て私がまず感じたことは「シンプルになったなぁ」ということ。

「KISSの原則」という言葉があります。Keep it simple, stupidという言葉から来ていて、シンプルは成功への鍵であるということと、複雑性は成功の阻害要因ということを表しています。

本社統一、ブランド統一
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

「パナソニック(旧:松下電器)」「パナソニック電工(旧:松下電工)」「三洋電気」という3つの本社を「パナソニック」に統一。 
「三洋」ブランドを廃止して「パナソニック」に統一。(※Nationalブランドは既に廃止済)
M&Aでごちゃごちゃになっていたガバナンス、ブランド戦略をようやくひとつに統合です。1つの本社、1つのブランド。当たり前のことがようやく実現できるようです。

リストラ
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

世界中で人員見直しをして、38.5万人を35万人にまで削減(3.5万人のリストラ)。リストラを嫌っていたあの松下(パナソニック)が過去最大のリストラを断行です。しがらみを断つ。今回の改革の本気度が見えるようです。

「2.グローバル化」

ある程度の規模の企業になると、グローバルというキーワードは、時候の挨拶のように見かけますが、成功するためには本気度が試されます。特に経営がどこまで現地にアプローチするかです。今回の発表を見ると、本気度が増してきたなという印象を受けました。

G&G本社
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

グローバル本社と5つの地域統括という体制。

生産職能のアジア化
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

本部が持っていた生産職能をアジアにシフトです。

「3.強み再発見」

また、今回発表を見ていると、パナソニックならではの強みも再発見できました。

リチウムイオン電池
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

世界的にも需要があるリチウムイオン電池。パナソニックは世界有数のトップランナーです。電気自動車、太陽光発電などの自然発電、スマートグリッド。昨今のキーワードを実現するための重要なパーツです。非常に需要があり、競合も多い分野ではありますが、これまで築きあげてきた資産をバネにして、世界を席巻してほしいものです。

まるごと事業
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

最近パナソニックではよく出る「まるごと事業」という言葉。要は総合力があるので、店まるごと、もっと言うと街をまるごと作ることもできますよ、ということです。たしかにこういうことができる企業は限られているなと思います。まだまだ実感が湧かないのですが、経営としては柱のひとつにしたいようです。今後の行方に注目です。

環境エンジニアリング
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

ついつい薄型テレビや電池など消費者接点の多い商品に目がいきがちですが、水浄化技術などBtoBビジネスもあります。最近は三菱電気がメリハリの効いた経営をやって成果を挙げてきていますが、こういう技術をうまく前面に押し出して利益に結びつける素地はあるんだろうなと期待感を持てます。ただし、生かすも殺すも経営次第です。

「パナソニックの将来」

ここまでポジティブな見方をしてきましたが、あくまで今回の発表についてです。現時点では私の投資検討ラインにパナソニックは乗っていません。競合する分野ではサムスン電子がいて、パナソニックよりも成果を出しています。実際、私は5年前にサムスンに投資をしていて現在もホールドしています。

パナソニックは現在営業利益率5%を目指していますが、その水準ではとても高収益企業とは言えません。
2012年度目標
(出典:パナソニック2011年度事業方針)

しかし、今回の発表をみても変革の兆しが見えています。このままお茶を濁すだけで終わらせるかどうかは、経営次第です。グローバル本社ひとつとっても、下手をすると混乱を起こすだけで何も成果をあげられず、旧態依然のガバナンスのままになるかもしれません。それでもパナソニックは「変革」への意思表示は出したと思います。いつかパナソニック株を永久ホールドしたいと思えるような魅力的な企業になる日が来ることをいのります。

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