あつまろです。

テルモ(4543)はカテーテルなど心臓血管領域に強みがある医療機器メーカーです。売上高3000億円台と欧米の巨人たちに比べると規模で見劣りするものの、日本企業の中では大手に分類されます。私はテルモが世界でのシェアをどんどん拡大させていくことを楽しみにしています。私が考える「キラ星のように輝く13銘柄」の一員です。

「カリディアンBCTを買収」

2011年3月にテルモ、輸血関連事業の世界大手企業であるカリディアンBCTを買収すると発表しました。買収額は26億2500万ドル(日本円2,225億円 4/9為替)。今回の買収により、両社が手がける輸血関連事業は世界シェア3割を超えて業界トップとなります。輸血関連事業は医療機器のインフラです。買収発表から1ヶ月過ぎて今さら感はありますが、今回の買収に対する私の考えを整理します。

「輸血関連事業」

この事業は新興国の経済成長が医療水準上昇により市場規模拡大を見込むことができます。また、先進国では高齢化によりガン死因の比率が高まっていますが、がん治療(化学/放射線)には血液の成分の中で血小板の必要があるそうです。カリディアンBCTは血小板採血という輸血関連事業のなかでも付加価値が高い領域に強みがあります。輸血関連事業は新興国と先進国を含む世界中でパイ(市場)が拡大している魅力的な市場なのです。

市場拡大が見込める一方で輸血関連事業は新規参入が難しい参入障壁が高い市場だそうです。特に先進国ではその傾向が強いそうです。

これまでテルモが取り扱ってきた輸血関連製品にカリディアンBCTのもつ血小板採血に代表される付加価値の高い成分採血が加わることで、世界需要に対するカバーする領域も広がることを意味します。

「高いお買いもの?」

カリディアンBCTは輸血関連事業の世界大手企業で収益が高く、さらに2桁成長が見込める企業です。落ち目の企業ならともかく、優良企業を買うわけですから、買収金額が安くなるはずがありません。売上高約3,100億円のテルモが約2,200億円での買収となります。金額だけではピンと来ないのですが、企業買収時の金額算定に使用するEBTDA比率という指標で見ると約15倍だそうです。FTではアナリスト評価では8倍前後が妥当ではないかと疑問を投げかけており、約2倍でお買い上げということになります。

テルモ経営陣はカリディアンBCTが2桁成長を続けることを鑑みれば、今回の買収は高くはなく価値あるもの、というメッセージを出しています。

「M&Aに対する考え方」

M&Aという言葉の響きは、攻めの経営という印象を与えがちですが、うまくいかない事例は多いのです。私自身、M&Aには警戒感を持っています。どうしても買収プレミアムがついて支払が大きくなりがちな一方、企業文化が違う企業の合併は経営資源を統合に向けなければならなず本業強化が遅れがちになりうる。しかも仕入れのスケールメリットなどを除けばシナジーがなかなか発揮できにくいというのが現状だからです(とくに日本企業が海外企業を買収するケース)。

しかし、ことテルモの場合に限るとM&Aには期待を持てます。というのもこれまでテルモは欧米での企業買収を経験して、成果を挙げているからです。うまく被買収企業の従業員の自主性を守ってシナジーを出せているからです。

過去が良かったからと今回も成功するとは限りません。なかにはテルモが本来強みを発揮しているのは心臓血管領域なので、この最大の柱をもっと強固にするM&Aを模索する方が良かったのでは?という声もあります。今回のM&Aの評価は5年後、10年後でないとわからない未知数があります。

わかっているのはテルモは「10年以内に売上高1兆円」を目指していること。その施策のひとつとして輸血関連事業拡大を目指して、実際に行動を起こしたということです。勝率が高いと思ったのなら攻めのリスクをとることも経営です。10年後のテルモはどうなっているのか楽しみです。

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