あつまろです。

ネットで見るさわかみファンドについての意見は、アンチが圧倒的に多いです。澤上氏のメディアへの露出度が高いことから、おそらく熱心な信奉者もいることでしょう。

が、何にせよ極端だなぁと感じます。日本的な考え方として、白と黒でスパッと分けることのできない、「灰色(グレー)」「曖昧な領域」があると思いますが、いかんせん人を評価するときには白と黒で分ける傾向がありますね。

だいたい人への評価は、満点か0点でなく「7:3」「6:4」などによる気がします。小泉元総理や菅総理など政治家への評価もそういうものじゃないかと私は思います。
皆でよってたかって全否定というのは、違う気がします。「ここは認める」「ここはダメ」という見方がもっとあっていいんじゃないかと思います。

さて、さわかみファンド(=澤上篤人氏)に対して、私が思うことを以下に挙げていきます。

1.直販投信のビジネスモデルを確立した

大手証券会社など販売会社による営業攻勢でなく、ファンドの作り手、自分たち(投信会社)が直接投資家に訴えかけて売る直販モデルをビジネスとして確立させました。
澤上社長がどんどんメディアに露出して、広告塔として思いを語り、世間に認知される。現在ではファンド純資産額2500億円。これだけ集まると会社としても利益が出ていることでしょう。
企業が利益を出すことは悪いことではありません。ドラッカーが利益は企業存続の条件というようなことを述べていますが、企業が社会への貢献など理念を実現するためには、利益を出すことが実現への条件です。

他に直販でアクティブファンドを取り扱う投信会社は、コモンズの渋澤氏やひふみの藤野氏など「草食系投資」というコンセプトで、一般投資家への啓蒙や広告活動を展開しています。このあたりも澤上氏の影響を強く受けているんだと思います。
さわかみファンドが開拓者として道を切り開き、その後にそれぞれ個性のあるファンドが自分なりのスタンスで続いている状況です。
しかし、コモンズ10億円、ひふみ13億円と、ファンド組成からの年月もありますが、まだビジネスとして成り立っていない状況です。

2.長期投資のアイデアを広めた

澤上氏独特の言い回しで長期投資の発想を広く世間に知らしめました。そのアイデアに強く共感した人も多いと思います。
その一方で、強く共感したが故に実際の運用を見て失望した人も少なからずいます。
しかし、FXなど短期志向に走りがちな傾向にある中で、ゆっくりと長期投資をしようというアイデアを広めたのは価値あることだと思います。

3.ファンド投資家への情報開示

ファンド投資家にむけて月2回くるレポート。市場の晴れの日も雨の日も、どのようなことを考えているかを伝えようとする姿勢は見事です。また、ポートフォリオも公開しています。
私もいろいろ勉強になりました。最近合併話で盛り上がっている住友金属工業は、数年前さわかみファンドのポートフォリオの最上位に位置していました。2000年初旬に株価低迷期にたっぷり仕込んでおいて、株価上昇局面には、同社が取り扱う天然ガスなどに用いられるシームレス(継ぎ目のない)パイプの圧倒的品質で世界から需要が殺到して、株価は投資価格から10倍の10倍株を達成しており、見事だなと感心しました。一方で、太陽電池などを扱う三洋電機への積極的投資はパッとしませんでした。他にも成功と呼べないような投資がいくつかあります。
ですが、さわかみファンドならではの「環境分野」への関心と投資スタンスは、他投資家の具体的な行動として参考になるところがありました。
アンチさわかみファンドの意見は、この情報開示がさわかみファンドの投資スタンスへの反感に結びついてる側面もあります。しかし、積極的情報開示ともいえる彼らのスタンスは純粋に評価できるポイントです。

4.投資スタンスのブレ

投資スタンス自体は人それぞれの思いがあるので、ファンドの運用方針に共感できるか次第ですが、ファンド投資家から見て投資スタンスがブレるように映るとものすごく心配になります。
さわかみファンドはポートフォリオの銘柄数が増えた後、売却を進めて銘柄数を減らしました。また、よりいいチャンスがあるからと「ごめんね売り」をしている活動を見ていると、投資している銘柄に対する信念が薄いのではないか、と気になりました。

ポートフォリオが300銘柄を超えていて、インデックス化しているという批判がよくありましたが、アメリカの伝説のファンドマネージャーであるピーターリンチは1300銘柄を保有していて、それでも成果を挙げているので、それは銘柄数が多いからというだけでインデックス化するということにはならないと思います(もっとも私は少ない銘柄で運用する方が好みではあります)。
しかし、多数の銘柄でポートフォリオを構成していくんだという投資スタンスであれば、わざわざ相場低迷期で売る必要もないと思います。このあたりは、息子の澤上龍氏に権限を与えたり、外したりとしていた時期もあり、ファンドとしての投資スタンスがブレている印象を私は受けました。

5.結局はパフォーマンス

サブプライム・リーマンショック後にさわかみファンドが、全力買いをしていた実績があります。澤上氏はウソをついてるという話もありますが、間違いなく彼らは投資をしていました。
なぜなら私も同時期に投資をしながら、「さわかみファンドも買ってるな〜」とポートフォリオを眺めていた記憶があり、記録で証明もできます。
しかし、今となって振り返ると、仕掛けが早かった。結局は下げ始めの初期段階で大幅に投資したため、その後の株価がさらに下げるとパフォーマンスはどんどん劣化することになりました。
私は当時のさわかみファンドの動きは、いまでも共感する思いが強いのですが、ファンドの評価はなんだかんだ言って、パフォーマンスに帰結するものだなと思います。
このあたりはファンド運用者というのは厳しい立場にいるな、と改めて感じます。私は誰にも咎められないので、個人投資家でよかった、と思います。

ファンドではないのですが、ウォーレン・バフェット氏があれだけ世間に讃えられているのはパフォーマンスを上げているから。もし、パフォーマンスを上げれていなかったら、ただのチェリーコーク好きのおじいちゃんです。

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